本の紹介「医者は患者をこう診ている」
本の紹介(備忘録)です。
医者は患者をこう診ている 10分間の診察で医師が考えていること
著:グレアム・イーストン 日本語版監修:葛西龍樹 訳:栗木さつき
イギリスのGP(家庭医・総合診療医)である著者が、プライマリケアにおいて日常よく遭遇する病気や健康問題の診療について、仮想の18人の患者を通して記述されています。
日本語版解説より引用
「グレアムがGPとして、また一人の人間として、一方で科学的な視点で多くの臨床研究のエビデンスや診療ガイドラインを念頭に置いて合理的な判断をしつつも、他方で患者さんたちの置かれた状況に注意と敬意を払い、彼らの意向にできるだけ寄り添う努力をしながら共通の理解基盤を見出して診断や治療計画を決めていく(これを「共同意思決定」と呼ぶ)姿が描かれる。また、日本の医師と比較してはるかに「医療は公共財である」ことを意識しているイギリスのGPとして、限られた人・もの・金・時間といった資源をどのように効率的に(費用対効果に優れているという意味)、問題の優先度に応じて配分するかに苦慮する様子も率直に語られている。診療中に彼の心に沸き起こる様々な感情や葛藤も、たとえそれがネガティブなものであっても正直に伝えられている。」
この書で述べられていることの全てが正解ではないかもしれないし、実際の診療において著者が考えていることや診ていることの全てを記すことができているわけでもない、ということを前提としても、十二分に参考になります。
以下、私が参考になった点です。
・患者を満足させるために患者から探る事項、(患者の)解釈、(症状、疾病に対する)懸念、(医療機関への)期待を確認すること
・ロジャー・ネイバーによる診察(で起きること)のモデル:
①信頼関係を築く、
②(解釈、懸念、期待)を要約する、
③医師と患者双方が満足できる計画を練る、
④セーフティネット(万が一の場合の最悪のシナリオを想定し、それを説明し、何に気を付け、何をすべきかを患者に理解してもらう)、
⑤(患者たちのために)医師自身のケア、自己管理をすることで、次の患者の診察に気持ちを入れ替える
・問診の重要性と問診スキル
・見逃してはいけない重篤な疾患の兆候
・メタ認知
・触れたり、脱いでもらう時に配慮すべきプロセス
・Clinical Prediction Rules(臨床予測ルール)の活用
・症状を患って医師に診てもらう人とそうでない人の違い(ゾーラの誘因:対人関係の危機、社会的・個人的な人間関係のトラブル、是認(他者からの圧力や助言)、仕事に支障がでる・身体を思うように動かせない、時間・期限の設定)
・抗生剤を気安く処方してはならない(財源、耐性菌、患者への副作用)
・医療では、患者に「“けっしてありえない”とはけっして言ってはならない」:(“AはけっしてBの原因ならない”ということはない、あらゆる検査結果が“正常”であっても身体のどこかに異常があるという可能性を否定してはいけない)
・ありふれた疾患を考えることの重要性―“よくあることはよく起こる”。めずらしい病気の可能性は考慮入れつつも、ファーストオピニオンとして一足飛びにめずらしい病を診断しない。
・PUN(patient’s unmet needs:患者の満たされない要望、医師が患者の力になれなかった事象)とDEN(doctor’s educational needs:医師に必要な教育)
・ナラティブな(患者の病態像を生活歴も含めてストーリーとして語る)手法
・共感を示す医師の方が、患者との信頼関係を築き、よい臨床成果もあげる。
・共感:「本気で相手の立場になって考え、相手の感情を理解し、分かちあうこと」
≠同情:「相手に思いやりを示し、哀れみを覚えはするものの、実際に相手が感じていることを自分も感じるわけではない」
・ケアの継続性は医療費の削減、よい治療成果、患者満足度、入院リスク軽減に有効。
ケアの継続性とは、医師と患者がマンツーマンで構築する「信頼」そのものである。
患者の医療アクセスの利便性を図ることは、このマンツーマンに支障を来し、すなわちケアの継続性を損ねる。
・見落としやすい転倒要因:鎮静薬、低血圧(血圧降下薬)、不整脈、5種以上の薬の服用
・医学検査は、病歴と身体所見を基盤に実施することでこそ有意義となる。(検査前確立が高い) 逆に言えば、なんの症状もない患者に胸部X線などの検査をして、なにか異常が見つかったとしても、それは無意味なノイズにすぎない確率が高い。
・患者に悪い知らせを伝える際の留意点SPIKES
Setting:場の設定
Perception:患者の病状認識の評価
Invitation:患者が病状をどの程度知りたいのか確認する
Knowledge:患者に知識と情報を与える
Emotions with Empathetic:患者の気持ちに寄り添い、共感する
Strategey and Summarising:治療計画を立て、要約する。
さて、研修会の告知です。
10月22日(大阪)
「関節可動域制限と徒手技術の基礎」
B:関節可動域制限と徒手技術の基礎 - 理学療法士基礎教育研修会
9月10日(広島)
「関節可動域制限と徒手技術の基礎」
170910第3回桝井貴史先生勉強会 of 知鑽治笑Project
私の治療観は拙著をご参照ください。
治療技術としての理学療法入門 -治療対象の基礎と臨床- / DLmarket
(各セクションにおいて症例検討を交えています。)
本の紹介:「人体 5億年の記憶 解剖学者・三木成夫の世界 」
本の紹介(勉強になったことの備忘録)です。
人体 5億年の記憶 解剖学者・三木成夫の世界
著:布施英利
三木成夫という1987年に逝去されている解剖学者の著書や講演内容から、彼の世界観を解説する名著です。
三木成夫の世界観とは、解剖学者として、形態学や系統進化を取り入れ「人間の体や心の成り立ち」に深く洞察するという独特の哲学なんですが、
やられました。(感動しました。)
これは、読みましょう。
解剖学、形態学、系統発生から述べられる見解に触れることで、ヒトの運動(・感覚)器管、消化・吸収器管、循環系、排出器管などの、その形態と仕組みの見方が、かなりすっきり見えるようになりました。
今までがんばって丸暗記してた神経支配のことも分かりやすくなりましたし、二足直立の要素と要因の考え方も変わりました。
また、「意識」とは別の、「こころ」の動き、その「そこはかとない何か」をpureに受け入れようと思うようになりました。(詳細は本書を読んでみてください。)
ちなみに、この本を読んで、どうしても海辺で波に合わせて呼吸をしたくなり、すぐに行きました。
そして、今じぶんが生きるこの世界、文明が、地球に生命が誕生してから少しずつ歩み進めてきた系統進化の果てにたどり着いた人類が、その解剖学的、機能的特性によって日々築き、さらに後世に引き継がせていくことで、発展してきたものであるということをあらためて知り、喜びと感動に包まれます。
本文の結論的な文章から引用させて頂けば、この文章に凝縮されいます。
私たちは、この自分のからだに刻まれた、その生命記憶を読み解くことで、私たち自身は、いったい、どんな存在であるのかを知り、それによって、自分がこの世界に存在している喜びを味わう。
さて、研修会の案内です。
8月6日(大阪)まだ空席あります!
「運動制御システムから考える動作障害の運動療法の基礎と、効率的な姿勢・動き方の探究」
9月10日(広島)
「関節可動域制限と徒手技術の基礎」
170910第3回桝井貴史先生勉強会 of 知鑽治笑Project
私の治療観は拙著をご参照ください。
治療技術としての理学療法入門 -治療対象の基礎と臨床- / DLmarket
(各セクションにおいて症例検討を交えています。)
本紹介:「脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方」
今日は、本の紹介(というか、勉強になったことの備忘録)です。
脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方
著:ジョンJ.レイティ with エリック・ヘイガーマン
訳:野中香方子
なんてこった、読むの遅かった。
それが一番の感想です。
運動※の脳に対する効果が科学的事実と臨床事例から解説されている、というお堅い本ですが、めちゃくちゃ読みやすいです。
※運動は主に有酸素運動が取り上げらています。
理由は、科学的に証明する上で行われる研究では運動後に脳の生体組織検査を行うことが望ましいため、「ラットが対象」になるわけで、「ラットに実施可能な運動」である必要があるため、とされています。
本書で取り上げられた、運動の脳に対する効果を以下に列挙します。『』内は本書より引用。
・学習能力向上:海馬のBDNF増加、ニューロン新生(学習する課題と環境は必須)
『学習と記憶の能力は、祖先たちが食料を見つけるときに頼った運動機能とともに進化した』
・ストレス耐性:ニューロンのストレス後の回復、筋緊張緩和のフィードバック
・うつの改善、気分の明朗化
不安、悲観の減退:セロトニン、ノルアドレナリン、エンドルフィン
意欲向上、〇〇依存の改善:ドーパミン
・注意力向上:運動制御システムの稼働(複雑な運動である方がいい)
・認知症予防:海馬だけでなく前頭葉、側頭葉など皮質の容積も増大
・妊婦にとっても赤ちゃんにとっても運動するほうが良い。
必要な運動については、ウォーキング(低強度、55-65%MHR)、ジョギング(中強度、65-75%MHR)、ランニング(高強度75-90%MHR)、全力疾走(無酸素運動)に大別すれば、毎日歩くかゆっくり走るかし、週2,3回は走り、ときどきは全力疾走することが勧められています。
『生物学者ベルント・ハインリヒは、(中略)人類を「持久力のある哺食者」と評している。(中略)ハインリヒによれば、アンテロープは哺乳類のなかでも最も足の速い種のひとつだが、わたしたちの祖先はそれを狩ることができたそうだ。どうやって?逃げる力がなくなるまであとを追いつづけたのだ。(中略)わたしたちの筋肉繊維は収縮の速いものと遅いものがバランスよく組みあわされているので、延々と野山を超えたあとでも、一気に走って獲物を仕留めることができるのだ。』
『毎日運動できればベストだが、休み休みでも運動すれば驚異的な効果がある(中略)。もし数日間、あるいは1,2週間、運動しそびれたとしても、再開した翌日には、海馬BDNFをどんどん生産している。』
筋力トレーニングまたは、ヨガや太極拳については研究が少ないし、研究方法も限られている(ラットはそれらをできないし、ヒトでは脳の生体組織検査ができない)。
筋力トレーニングについては、不安感は弱まり、気分はよくなり、自信もついていたが、思考能力は効果を得られなかった。
ヨガの呼吸法はストレスと不安を軽減し、太極拳が交感神経系の活動を鎮めることがわかっている。
これからもしばらくは、脳と運動(できれば体操)についての勉強がマイブームになりそうです。
運動における脳、つまり運動制御システムに関しては研修会を行っています。
8月6日(大阪)
「運動制御システムから考える動作障害の運動療法の基礎と、効率的な姿勢・動き方の探究」
9月10日(広島)
「関節可動域制限と徒手技術の基礎」
170910第3回桝井貴史先生勉強会 of 知鑽治笑Project
私の治療観は拙著をご参照ください。
治療技術としての理学療法入門 -治療対象の基礎と臨床- / DLmarket
(各セクションにおいて症例検討を交えています。)
とにかくほぐせばいいってもんじゃない!
有痛患者において、痛いところが硬いわけでなく、別の硬いところのために硬くないところに負担が偏り痛みが生じている、ということはよくあることです。
その場合、硬いところを動くようにしてあげれば、有痛部位への負担の集中が緩和され、痛みを生じにくくなる、という介入戦略があります。
先日、その戦略に基づいて介入していた患者の治療の中で、新たな気づきを得ました。
というのも、その患者は上述の有痛パターンと考え介入していたのですが、治療(症状緩和)に難渋していたのです。
治療数回目に気づいたのが、硬いところの中に、動きを出す(ほぐす)とかえって痛みが生じるところがあったのです。
つまり、その患者は、そもそもAとBが硬く、Cが痛くなり(おそらく傷めて)、Cを固めたところDが痛くなったという障害像だったのです。(ABの硬さのためにCを傷めやすい状況だったと考えています。)
Cをほぐすと痛みが再燃するため、CDは触らず、ABの可動性改善に注力したところ、日常生活においてほとんど痛みが生じなくなりました。
Aが胸郭、Bが股関節、Cが上位腰椎部、Dが下位腰椎部です。
もともと胸郭、股関節ともにしっかり治療していたつもりでしたが、最近、正しい胸郭の可動域とアライメント、股関節の制御の重要性に気づいたことで、介入の程度、方法、目標が変わりました。
その結果、難渋した患者の症状緩和を得られました。
これも、『セラピスト自身が正しい姿勢、動き方を理解し体現できることが、患者をそこに近づけること、あるいはその中で患者にとっての適正な姿勢、動き方のヒントを見つけることにつながる』ということのいい例です。
セラピスト自身が正しい姿勢、動き方を探究するためのヒントは8月6日の大阪、
関節可動域の治療については9月10日の広島で研修会を行います。
8月6日(大阪)
「運動制御システムから考える動作障害の運動療法の基礎と、効率的な姿勢・動き方の探究」
9月10日(広島)
「関節可動域制限と徒手技術の基礎」
170910第3回桝井貴史先生勉強会 of 知鑽治笑Project
私の治療観は拙著をご参照ください。
治療技術としての理学療法入門 -治療対象の基礎と臨床- / DLmarket
(各セクションにおいて症例検討を交えています。)
なぜ、セラピスト自身が体操をしないのか。
先日、研修会をしてまいりました。
内容は、「運動制御システムから考える動作障害の運動療法の基礎と、効率的な姿勢・動作の探究」。
その中で、用手接触による知覚入力で身体図式を修正することで、姿勢と運動を正していく、という実技セクションがあり、そのときに受講生から素晴らしい質問を受けました。
「ココが硬いのは分かるんですが、そこに介入して、どう持っていけばいいのかが分かりません。」
要するにその受講生は、(この場面で)硬いとは関節可動域の問題はないのに(対象者)がそこを動かせていないということであり、動かせていないのはその部分が身体図式から欠落しているために運動に参照できていないのだろうという仮説の下に、そこに用手接触による知覚入力をすることで身体図式を再構築すれば動かせるようになるだろう、というところは分かっているのです。
しかし、用手接触しながら、どのような姿勢、どのような動き方を誘導(操作)すればいいのかが分からない、と言っているのです。
これはとてもいい質問です。
ここに気付けた受講生は、とても素直で、対象者の治療に対して実直です。
なぜなら、これは多くの理学療法士が、実は分かっていない、または間違えている(ことに気づいていない)ところだからです。
そもそも、治療・介入するセラピスト自身がそれを分かっていないと、正しい姿勢、正しい動き方とは誘導(操作)することができないのです。
また、セラピスト自身が、正しい姿勢、動き方を体現できることが強く望まれます。
また、身体図式さえ正しく再構築すれば、対象者が然るべく正しい姿勢、動き方を取り戻すだろう、という考え方では、介入の詰めが甘くなります。
なぜならば、多くの現代人は正しい姿勢、動き方をそもそも経験していないからです。
じゃあ、元々やってもいない姿勢、動き方をなぜ目指すのか。
もちろん、必ずしも正しい姿勢、動き方が目標にはなりません。
しかし、体力、筋力の低下した対象者にとって、そこに近づける介入はかなり有効である、あるいは対象者にとって適正な姿勢、動き方のヒントになることが多いです。
なぜならば、正しい姿勢、動き方とは、「楽」だからです。
動きやすい、動き出しやすい、動きを変換しやすい、のほか、解剖学的・力学的に負担の偏りや、骨・関節への剪断力や反りのストレスが少なく、また、力の伝達効率や衝撃吸収作用が高いアライメントになっており、また、分節的制御が前提となっているために短いモーメントアームでエネルギー消費が小さく、多くの筋の参加が得られ力の総和が大きく、冗長性が高い。。。などなど。
転倒予防にも、傷害予防にもなります。
つまり、対象者が正しい姿勢、動き方に近づけるように介入するためには、セラピスト自身が正しい姿勢、動き方を理解し、体現できることが重要となります。
セラピスト自身のそのようなパフォーマンスは、対象者への治療・介入だけでなく、対象者がどのように目標から外れているのかを見極める評価能力にも重要です。
スポーツなどでも、かつて素晴らしい選手であった方々が、後進の選手たちのパフォーマンスを直接チェック、指導し、育成している場面をよく見かけますよね。
やはり、自分自身がどのようなパフォーマンスを目指し、どこをどう注意していたのか、という経験が活かされているのでしょう。
(逆に言うと、そういう意識を持っていたのかどうかが重要。)
セラピスト自身が正しい姿勢、動き方を理解し、体現できるためには、体操(身体操作の探究)が有効と思います。(私の考える体操については、研修会でも紹介しております。)
自身のコンディションについて感性を働かせるような体操は、種々のボディワークのように精神面、認知面、学習面にも素晴らしい効果をもたらせますので、おすすめです。(今、運動と脳の関係についてとても興味深い正書を読んでますので、近日中に詳細をお話しできると思います。)
さて、先日行った研修会と同様の内容の研修会と、その続編としてその研修会内では収められない内容をテーマにした研修会について告知します。
平成29年8月6日(日)大阪
「運動制御システムから考える動作障害の運動療法の基礎と、効率的な姿勢・動き方の探究」
平成29年9月10日(日)広島
「関節可動域制限と徒手技術の基礎」
170910第3回桝井貴史先生勉強会 of 知鑽治笑Project
私の治療観についてはこちらの電子書籍(各セクションごとに症例検討あり)をご参照ください。
「立位」変えました
この度、わたくし、「立位」を変えました。
具体的には「立位アライメント」、「姿勢」です。
修正①において、一旦教科書的な姿勢を経由し、現在修正②に至っております。
修正①では、下腹部の筋緊張と、胸郭の抗重力伸長、正しい肩甲帯のアライメント、ほぼ正しい頭部アライメントが得られました。
その後、今(修正②)比べると、以下の点が違います。
・骨盤が少し後傾(腹部の筋緊張を保持したまま)
・股関節がすこし屈曲し、膝もさらに緩んだ。
・上体が少し前傾した。
・肩甲帯アライメントはやや緩んだ。
この「姿勢」で結果的に変化したことは以下のような点です。
・歩き方、しゃがみ方、など(当たり前ですね)
・動き出しやすい。
(歩きはじめ、歩行→走行、歩行→急停止、歩行→方向・動きの転換、腕の振り上げ)
・腰、頚、頚肩部のハリが生じず、腕も軽い。
この「立位アライメント」にたどり着く過程で気づいた点は以下のようなものがあります。
・骨(脊椎や下肢骨)に体重を乗せることにこだわると、絶対にこの姿勢にたどり着けない。
・骨に体重を乗せることが、腰痛や頚肩部のハリ、膝痛を生むのではないか。
・ベースとして重要な要素は『下部体幹の安定性(筋緊張)』と『胸郭の抗重力伸長(可動域)』、『荷重位での股関節の分節的制御に基づく身体操作とその多種多様性』は重要。
・胸郭アライメントが正しくないと肩甲帯アライメントも正しくできない。
・胸郭、肩甲帯アライメントが正しくなると、肩幅と胸囲がでかくなる(僕は、上衣のサイズが1つ変わりました)。
・正しい胸郭の可動域とアライメントが分からないと、患者への治療も不十分である。(自分はわかってからかなり変わった。)
・この姿勢筋緊張(を維持した坐位)では、腹いっぱいご飯を食べれない。
・姿勢や筋緊張をゆるめて腹いっぱいご飯を食べたら、この「立位アライメント」や「姿勢緊張」を再現しにくい。
・『荷重位での股関節の分節的制御』≒股関節の荷重感覚≠股関節戦略のバランス制御
・ 『荷重位での股関節の分節的制御に基づく身体操作法とその多種多様性』を身につける上で、武術や舞踊、太極拳などは有用。
・宮本武蔵(絵)の姿勢に当初感じる違和感は、身体操作を探究していくうちに「そこに真理があること」が分かってくる。(少しは近づけたかしら(^_^))
僕が「立位アライメント」を見直すきっかけになったのは、このブログにおいてつい最近、その時点における僕の「立位アライメント」についての考えを述べ、それに対しfacebookでいくつかのご意見をいただいたことに他ありません。
そのやり取りでは、直接の面識のない僕に、何度も丁寧にご指導くださいました。
心より感謝申し上げます。
今回のこの過程で、立位と動き方を変えるために考案した体操プログラムがあり、それを研修会では紹介、実技します。
そう、宣伝します。
8月6日研修会「運動制御システムから考える動作障害の運動療法の基礎と、効率的な姿勢・動き方の探究」(大阪)
7月9日研修会「同上」(広島)
170709第2回桝井貴史先生勉強会 of 知鑽治笑Project
テキスト「治療技術としての理学療法入門-治療対象の基礎と臨床ー」
パス
今日は僕がロゴに使っているマークについてお話します。
これは、僕にとって「リハビリテーション」を表したものです。
ちょっと体調がしんどかったときに、そのときその状態でないと見ることができなかった風景に感動したことがあって、そのときから「その境遇でないと出会えない感動やよろこびがある」、それに気づくことがリハビリテーションにおける「価値観の転移」につながるのではないかと考えるようになりました。
このマークは、その風景と、そのときの感動とそこから生まれた感謝を抽象的に表現したものです。
理学療法士は今、作業療法士とともにリハビリテーションのけん引役として期待されています。
僕自身は、理学療法士の中ではどちらかと言うと治療に偏重している方なので、患者さんやリハビリテーションを目指す地域住民にどんなことが必要なのかを考えることも、その行動自体も少し苦手かもしれません。
ですが、リハビリテーションとは形だけの社会復帰や在宅復帰を言うのではなく、内面的に価値観を転移できることこそが真の目標であり、そのためには「その境遇でないと出会えない感動やよろこび」が重要なエッセンスになり得る、ということをこの場で発言することで、誰かにとってヒントになったり、そういったことに興味を持ってもらえるきっかけになったらと思い、今日のブログにしてみました。
自分ができなくても、実現でき得る誰かにそれを気づかせるパス。
そんな役割もいいかなと思えるようになった、37歳の誕生月でした。
僕の治療観と研修会は以下の通りです。
平成29年7月9日研修会 「運動制御システムから考える動作障害の運動療法の基礎と、効率的な姿勢・動き方の探究」(広島)
170709第2回桝井貴史先生勉強会 of 知鑽治笑Project
平成29年8月6日研修会「同上」(大阪)
テキスト「治療技術としての理学療法入門-治療対象の基礎と臨床-」