理学療法と身体操作の気づきと雑感

理学療法と身体操作について気づいたことや、ふと思ったこと、なんか言いたくなったことなどを書き留めてゆきます。個人的見解が多いので、ご了承ください。

本の紹介:「人体 5億年の記憶  解剖学者・三木成夫の世界 」

本の紹介(勉強になったことの備忘録)です。

 

人体 5億年の記憶  解剖学者・三木成夫の世界

著:布施英利

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三木成夫という1987年に逝去されている解剖学者の著書や講演内容から、彼の世界観を解説する名著です。

三木成夫の世界観とは、解剖学者として、形態学や系統進化を取り入れ「人間の体や心の成り立ち」に深く洞察するという独特の哲学なんですが、

やられました。(感動しました。)

これは、読みましょう。

 

解剖学、形態学、系統発生から述べられる見解に触れることで、ヒトの運動(・感覚)器管、消化・吸収器管、循環系、排出器管などの、その形態と仕組みの見方が、かなりすっきり見えるようになりました。

今までがんばって丸暗記してた神経支配のことも分かりやすくなりましたし、二足直立の要素と要因の考え方も変わりました。

 

また、「意識」とは別の、「こころ」の動き、その「そこはかとない何か」をpureに受け入れようと思うようになりました。(詳細は本書を読んでみてください。)

 

ちなみに、この本を読んで、どうしても海辺で波に合わせて呼吸をしたくなり、すぐに行きました。

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そして、今じぶんが生きるこの世界、文明が、地球に生命が誕生してから少しずつ歩み進めてきた系統進化の果てにたどり着いた人類が、その解剖学的、機能的特性によって日々築き、さらに後世に引き継がせていくことで、発展してきたものであるということをあらためて知り、喜びと感動に包まれます。

本文の結論的な文章から引用させて頂けば、この文章に凝縮されいます。

私たちは、この自分のからだに刻まれた、その生命記憶を読み解くことで、私たち自身は、いったい、どんな存在であるのかを知り、それによって、自分がこの世界に存在している喜びを味わう。

 

さて、研修会の案内です。

 

8月6日(大阪)まだ空席あります!

「運動制御システムから考える動作障害の運動療法の基礎と、効率的な姿勢・動き方の探究」

研修会A - 理学療法士基礎教育研修会

 

9月10日(広島)

「関節可動域制限と徒手技術の基礎」

170910第3回桝井貴史先生勉強会 of 知鑽治笑Project

 

私の治療観は拙著をご参照ください。

治療技術としての理学療法入門 -治療対象の基礎と臨床- / DLmarket

(各セクションにおいて症例検討を交えています。)

www.dlmarket.jp