理学療法と身体操作の気づきと雑感

理学療法と身体操作について気づいたことや、ふと思ったこと、なんか言いたくなったことなどを書き留めてゆきます。個人的見解が多いので、ご了承ください。

レビュー「医師が発見した 認知症バイバイ体操」

今回は、私の恩人でもある濵崎先生の著書「医師が発見した 認知症バイバイ体操」のレビューです。

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まず、僕的には、なんと言ってもタイトルがイイですね。


そして、後半の序盤に述べられている「運動を行う意味」が秀逸。

運動、とくに武術などの身体の感覚を意識した体操は、脳の多くの領域の各機能をフル活用すること。

逆に、認知症とは、脳の萎縮と、脳の興奮の低下によって、運動のイメージや、イメージした運動を惹起するための情報伝達が上手くいかなくなる。
それこそが、認知症による運動機能低下の本質であることについて、わかりやすく図を用いて解説されています。

脳の萎縮、脳の興奮の低下は、脳血流の低下によるところもあり、その予防のためにも、上述のような体操を推奨したい、というとこが主旨になっていますね。


私が遭遇する認知症患者の運動機能の臨床像も、動作が緩慢(遅い)、ふらつく、動きを間違えたり、失敗したり、動けなかったり、です。

これに対して、私は、身体図式を整える治療をして、自己定位を再構築していく運動、動作練習をします。
(身体図式や自己定位に関する説明は、ブログを参照してください)

知覚運動循環とは何ぞや? - masui PT のあれやこれや

 

私が治療を進めていく上で注目しているのは、「貌(かお)」です。

顔つきが変わっていきます。

我に返り、品性が戻ってくる、と言えますね。

治療後、我に返った患者さんに、「自分は今まで何をしていたんですか?」と聞かれたこともあります(笑)


さて、話を本のレビューに戻して、
本の主役でもある「体操」についての感想です。

長年、武術の鍛錬と身体操作の探究をされてきた濵崎先生が患者さんに実践している体操、ということもり、とても導入しやすく、かつ効果的なものと思います。

 

わがままを言えば、濵崎先生も強調されている「股関節の感覚」「股関節で立位運動を制御する感覚」をつかみやすくする、準備運動が欲しかったなぁ、と思います。


もちろん、濵崎先生が本で紹介する体操を継続していけば、徐々につかめてくるものではありますが、即時効果を欲しがる読者には、一次的にそこを高める準備運動があってもいいかな、と思いました。

 

実際、「股関節の感覚の促通」をセルフエクササイズでやるのはとても難しいです。
私が習っている太極拳の先生も、そこを伝えるのには苦労しておられます。
くりかえしになりますが、もちろん、繰り返し体操や太極拳を継続していれば、つかめてくるものではありますが、
そのとき、ちょっと、パッと感覚を高めれればな、と悩んでいます。

 

今日は、ここまでです。

では。

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