理学療法と身体操作の気づきと雑感

理学療法と身体操作について気づいたことや、ふと思ったこと、なんか言いたくなったことなどを書き留めてゆきます。個人的見解が多いので、ご了承ください。

骨盤角度で変化する大腿筋膜張筋の役割の違いこそが、西洋・東洋の歩行パターンの違い

最近、姿勢制御と身体操作についての気づきが止まりません。

(きっかけは、鈴木先生の講義かな?)

 

とりあえず、現段階の知見を整理しておきます。

内腹斜筋横行下部線維と大腿筋膜張筋のつながり。
そして、その大腿筋膜張筋の役割が、骨盤の前後傾で変わること。
このことが、東洋人の歩行などの同側パターンを作っている要因ではないかと考えます。

 

まず、以前にも述べた、効率的な動きのベースについて、
体幹の前額面と、骨盤・支持面の水平面で∞を描く力の流れ」とは、
筋、筋膜の連結の経線(アナトミートレイン)の一つでもある、スパイラルラインが描く流れと似ています。

f:id:masuiPT:20180710173213p:plain

それは、板状筋→(対側)菱形筋→前鋸筋→外腹斜筋→腹直筋鞘→(対側)内腹斜筋→大腿筋膜張筋→腸脛靭帯→前脛骨筋→第1中足骨底→足底→腓骨筋→大腿二頭筋→坐骨結節→仙結節靭帯→脊柱起立筋→後頭骨稜、となっています。

f:id:masuiPT:20180710172823j:plain

(スパイラルライン:アナトミートレイン 徒手運動療法のための筋筋膜経線)

 

この中で、注目したいのは、内腹斜筋と大腿筋膜張筋です。

立位時同側下肢への荷重時に働く内腹斜筋の横行下部線維は、骨盤の安定に重要です。

そして、その内腹斜筋の活動に連動して、働く大腿筋膜張筋は、骨盤の前後傾で、その役割を変化します。

f:id:masuiPT:20180710172702p:plain

西洋人の(教科書的な)アライメントでは、骨盤の安定のための股関節外転筋は中殿筋になりますから、大腿筋膜張筋は、股関節屈曲(遊脚)に働きます。

しかし、東洋人の後傾した骨盤(仙骨)では、大腿筋膜張筋の働きは、荷重側の骨盤(立脚)を安定させますので、遊脚下肢は、上述のスパイラルラインにおける肩甲骨周囲筋(菱形筋、前鋸筋)と同側の下肢になります。

すなわち、これが、東洋人の歩行などの同側パターンになるわけです。

f:id:masuiPT:20180710172730p:plain

実際には、同側の手と足が同時に前に出るのではなく、
感覚的には、同側の鎖骨と股関節が連動する感じです。

実際に、全身のコンディションがちゃんと整ってる状態で、この動きができると、
後頭骨稜に心地よい刺激をステップの度に感じることができます。

たぶん、この刺激は、脳にとっても良いものだと思います。

とりあえず、今回はここまでです。

health.dlmarket.jp